昨晩は、常見のアニキと飯田泰之さんのニコ生対談「饒舌大陸」が1周年記念で公開イベントにするということで会場の講談社へ。ビール飲みながらは恒例のことながら、昨晩に限って、アニキが途中、気分が悪くなって2度もトイレに駆け込んでしまうという、期待にたがわぬ「神展開」に。ちなみに番組前半で飯田さんが読み上げた質問のうち、「38歳ライター」というのは小生でございました。
●やまもと隊長の有用なご指摘
それで小生めの質問が出たあたりで、トークでは、アニキが早々とお辞めになったハフィントンポストのインタビュー校正のダメっぷりを振り返り、二人とも既存の出版社や編集者の存在意義を見直していたんですが、聞いているうちに、やまもといちろう隊長が昼間に投下した爆弾のことが思い浮かんでおりました。「The Startup」編集長の梅木雄平さんによる「クラウドワークス vs ランサーズ」の記事についての論評です。

正直、新聞記者上がりの超アナログ人間なのでクラウドソーシングなんて使ったこともないんですが、先日、堀潤さんの資金調達を書いた際に、梅木さんの記事を引用していたこともあって、隊長の記事を読んでみた次第。たしかに隊長の言う通りかなというのが第一印象でした。ジャーナリズムを標ぼうするにしても、やれ「言論統制」だのと軽々に騒ぎ立てるのは、ちょっと稚拙さが目立ってしまうと思うわけであります。梅木さんは、上原投手似の風貌もあって、てっきり自分と同じ30代半ばくらいかと思っていたら、実は20代でビックリ。「若さ」が出ちゃったのですね。隊長が言論人の先輩として記事の根拠を適切に明示するよう忠告した内容は真っ当で「年の功」を感じるのであります。

●ブログ論壇に冷めた目
で、饒舌大陸から始まって、「ランサーズ問題」の中身の薄い感想を敢えてツラツラと書いてきた理由ですが、最近SNSを見ていて、「ウェブ論壇」そのものに対し、冷ややかな感想がとみに目立っているからです。それも私がかつて在籍したオールドメディアの方々による、旧来型の頭ごなしの否定と違います。某ネットメディアの関係者が「ウェブ論壇は気の毒な人の集まりになった」と切り捨てたと思えば、あるエンジニアは「トータルでものを見ておらず、ネット論壇は問題点がずれまくっている」と全否定されます。この方は、「はだしのゲン」閉架問題を論じている一部の著名ブロガーの中に、「ゲン」が掲載誌を度々変更し、政党機関紙に掲載されるなど複雑な経緯をたどった前提を理解していない人がいて、表層的に「表現の自由」論をまくし立てて閉架に抗議するのがお気に召さなかったのでしょう。

アニキが“被害”に遭われた稚拙なインタビュー校正の件も合わせて振り返ると、皮肉にも構造不況にあえいでいたはずの既存メディアのコンテンツ編集力が改めて見直されそうです。構成や文面の拙さに容赦なく赤字を入れる編集者(新聞だとデスク)、誤字や事実関係に目を光らせる校閲といった職人たちとの共同作業によるコンテンツ生成プロセスは、ネット側がまだまだ追い付きません。そうなるとブロガーの間でも、商業出版の著者としてそうした経験があるかどうかで社会的信用度、ブランディングの格差がますます広がる予感がしてきました。いや、もちろん「秒速で稼ぐ」とかいう胡散臭いものも困りものですが。

●ネットでつつましく
最近は、数十万円と高額のフィーを払ってビジネス書の著者デビューを目指す出版セミナーも盛況です。私も度々勧誘されているのですが、大した実績も企画もありませんので、編集者のお眼鏡にはかなわないでしょう。悔しいですが、紙の本には無縁の一生を送りながら、つつましくブログ論壇の片隅で生きていくことになりそうです(泣)それだけに紙媒体にいた頃と同等の質の向上を目指しつつ、アゴラやBLOGOSで既に本を出されている偉い先生方と同じ場所で文章を書かせていただく機会の有難みをかみしめる日々です。

きょうは湿っぽくなり、気が付けば「ですます」調でしたが、最後の締めだけは明るくいきます。
ちゃおー(^-^ゞ

新田 哲史
Q branch
出版社と生涯無縁になりそうな広報コンサルタント/コラムニスト