どうも新田です。お盆休みに「ミッション・インポッシブル」の最新作を観に行きましたが、第1作は別格とすると、続編シリーズの中で今回の5作目は一番良かったのではないでしょうか。ところで、先月下旬、朝日新聞の未来メディア塾で開催したドローンのイベントでオフィシャルレポートを担当して、まさにスパイ映画のネタになるような最新機種に驚いたところです。
■“モスキート偵察機”に驚愕
イベントでは、ドローン研究の第一人者である千葉大学の野波健蔵先生をお招きして、昨今話題の規制の話から、現在進行中の主な実用例、さらに最先端の取り組みまで取り上げられました。詳しくはリンク先をお読みいただければと思いますが、オフィシャルレポートで私が「どよめきが起きた」と書いた、外見もサイズも蚊と同じという超小型偵察機の存在については私もマジで息を呑みました=写真=。
ドローン
ドローンマニアや軍オタあたりから「何を今更」と思われそうですが、野波先生によると、この“モスキート偵察機”の開発には、国防総省から巨額のR&D投資が行われて大学に予算も下りているらしく、そう遠くない将来、実戦に投入される見通しだそうです。

※こちらの動画はイベントと別です

これ特殊部隊なんかが敵の軍事施設の警備状況の偵察に使って、守りの薄いところや侵入経路を綿密な把握できるようになりますよ。自律飛行の技術がどこまで進歩するかにもよりますが、室内に入ることができれば、ビンラディンみたいに屋敷の奥に隠れていても見つけられてしまいます。

インテリジェンスの歴史では、軍事施設の偵察は「人間→航空機→偵察衛星」と置き代わり、いつしか「イミント」と呼ばれるようになりましたが、部屋の中に誰がいるかまでは分かりませんでした。モスキート偵察機が実用化すれば、今後はどの部屋に誰がいるかまで正確に把握できるようになり、軍事偵察の一大イノベーションになります。理論上は、007のようなスーパースパイが危険を侵して侵入する必要がなくなります。ほへー。

■「007」では実験中の本物兵器が登場した過去も
モスキート偵察機が民間で悪用されたり、あるいは警察や諜報機関が市民社会で使ったりといったシーンも想定されるわけですが、その頃にはもうプライバシーの保護とかの問題も争点になると思います。もっとも、軽薄な私は、「これいま映画で使ったら面白いでしょう」と考えてしまったのですが、仮にトム・クルーズやダニエル・クレイグが“モスキート偵察機”を使っても、フィクションと観客が思ってしまいそうなだけに、それはそれで怖いものがあります。

ちなみに熱烈な007ファンとして蘊蓄を披露すると、過去の作品で、リアルに実験中だった最新兵器をボンドが秘密兵器として使った事例があります。

初代ボンドのショーン・コネリー主演の第4作「サンダーボール作戦」(1965年)で本編前のシーンを飾ったロケット・ベルト(初期型のジェットパック)。犯罪組織スペクターの幹部を仕留めた後に敵の施設から脱出したアレです。撮影でも実際に飛ばしています(動画の20秒すぎ)。
 
一見「映画のスタッフが面白い小道具を作るな」と思わせつつ、軍用で実際に開発中の最新兵器を投入するあたりがフィクションとリアリティーのバランスを絶妙に生んで長寿作になっているような気が改めてしてきます。

そういえば、「ミッション・インポッシブル」を観た帰り、六本木ヒルズの映画館の公開予定作品のお知らせの中には、12月公開の「007/スペクター」のミニポスターが掲示されておりました。今回の作品でドローンが登場するのか分かりませんが、歴代シリーズでは数々の最新兵器を脚本に取り込んできただけに、ボンドが偵察にドローンや“モスキート偵察機”を駆使するシーンも近い将来、実現するかもしれません。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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