どうも新田です。そういう私も執筆から広報まであれこれと代行をやっております。先日、ビズリーチさんから、同社が5月に始めた求人サイト「スタンバイ」のアルバイト検索関連のランキング調査結果に関するリリースが送られて来ましてですね。どういうバイトが検索されているか、ある意味、時勢を反映していると言いますか、ちょっと面白かったんですよ。

※家事代行は10年後もバイトで食えるのか?(写真:足成)
家事イメーシ
■1位は「郵便局」、2位が「代行」
ランキングの結果はこちらなわけですが。
ランキング画像
調査時期が6~8月ということで暑中見舞い・お中元シーズンもあってか最多ランカーは「郵便局」。ただ、3ヶ月連続して1位というのは同社としても意外だったようで、「短時間で働ける」「高校生でも採用される」という定番の理由以外に「夏は、お中元の仕分けなど空調の効いた涼しい部屋で作業ができる」という、「そ、そこかよ(汗)」的な状況が見えてきたようです。

一方、2番手に付けたのが「代行」というのは、改めてこの手のサービスが佳境になっているのだと唸りました。今年の夏休みシーズンは「宿題代行サービス」がメディアで取り上げられて物議を醸しましたが、ほかにも「レンタル父親・母親」「レンタル彼氏・彼女」や結婚式出席代理のサービスなんかもあって世の中的には代行サービスが百家争鳴です。実際にスタンバイを検索してみると、家事代行が目立ちます。野村総研の市場調査(2011年)を見ると、市場規模は、家事代行サービスが290億→1,720億、ハウスクリーニングが560億から3,360億とそれぞれ6倍規模に増える見通しのようで、一連の女性活躍トレンドが後押ししていることもここから分かります。ニーズも増えれば供給側も人材がますます要るわけで、都会では、主婦も日頃のスキルを活かしての稼ぎ方がしやすい時代が来ています。

■10年後も代行サービスで食えるのか?
しかし、ここ数年、職業や働き方系の話題をヲチする際は、『ワークシフト』とか『10年後に食える仕事 食えない仕事』あたりの本で提起されているような問題点も思い浮かびます。ことにアルバイト情報は外国人やテクノロジーに代替される単純労働系の職種も多いことも視野に入れないとなりません。家事代行系は、アメリカあたりで移民やマイノリティーが労働力の供給源になっていることを考えると、今は市場を意識していない主婦も、国の今後の外国人労働者受け入れ政策次第では、取って代わられるリスクもありそうです。

ただ、私個人は、代行サービスは今後もバイトをしたい日本人の主婦や学生にとっては有望のように予測します。まず、英語が苦手で外国人とのコミュニケーション経験が圧倒的に少ない日本人が、自宅に外国人スタッフを入れる心理的ハードルは高いでしょう。東南アジア系のスタッフだと人件費が安い分、料金もリーズナブルでしょうけど、お金に余裕がある顧客なら、スキルの高い日本人を雇いたくなるはず。それは当然、求職者の日本人主婦にとっても高いフィーを取れるわけです。このあたり、『10年後に食える仕事 食えない仕事』の著者である渡邉正裕さんあたりが言うところの“日本人プレミアム”かもしれません。


もう一つは、テクノロジー、つまり人工知能(AI)に対する人間の優位性がまだ確保できそうな点です。もちろんペッパー君が近い将来、家事代行するような話もあるように、AIの発展は目覚しいわけですが、AI研究の第一人者、新井紀子先生がおっしゃるには、少なくても現段階のAIは「個別解」を導き出すのが不得意で、たとえば個々の家で散らかり方が違うので、片付けの仕事などは人間がまだまだできる仕事の典型例なのだそうです。

■求人・求職動向から見える経済・社会トレンド
ほかにもランキングを見渡すと、「モーニングコール」サービスが関心を集めていて「そんなに利用者がいるのか」と驚いたり、12位の「猫カフェ」に猫ブームの勢いの強さを感じたり、といった具合に、検索から見える求人・求職動向を通じて、経済、社会の意外なトレンドが見えてくる面白さを感じた次第です。

なお、本記事は、ハフィントンポストでトレンドになっているステマでは全くないので、邪な期待と疑念を抱かれたハフポスト関係者ならびにJIAA関係者に置かれましては、空振りということでお気の毒様でございました。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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