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どうも新田です。タイトルは田原さんテイストの釣り針を貼ってみました。LINEニュースの記者会見の感想記でも書こうかと思っていたら、東京都の韓国人学校敷地貸与問題の反響がすごくて、フォロワーが2000もいない弱小ツイアカの私にすらRTなり、ファボなりの反応が数秒も置かずとして継続している有様。ちょっと一言書いておいたほうがいいなと思った次第です。


「嫌韓」ではなく「都民益」で建設的議論を

ただでさえ、舛添さんを巡っては、ネトウヨ業界で「水の飲み方が“朝鮮飲み”だ」とか「あいつは半島出身だ」とか愉快痛快な珍説が繰り広げられるほどの不人気ぶり。そこに「保育園落ちた政局」の時節も相まった上に、折からの高額な海外出張費問題もあって、当初は産経新聞の風物ネタに終わると思いきや、今後の展開によっては、各メディアも取り上げざるを得ない状況になるかもしれません。

もっとも、アゴラで私が優先的に取り上げているのは、嫌韓的な感情論に基づくものではなく、東京都に税金を払う身として、あるいは子育て世代の一人として、「都民益より外国益を優先する」という舛添知事の摩訶不思議な政治判断に疑義をもたざるを得ない、その1点に過ぎません。

下手に政治運動化して、おかしな方向に行ってしまうと、舛添さんもあの性格なので意固地になって紛糾してしまっては、新宿区の待機児童解消に実効性のある解決策も進まないのでは困りものです。

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駒崎さんがツイートしたような、韓国学校と保育園施設の共存の可能性も含めた懐の深い提案も視野に入れつつも、綿密な調査分析の末に都民向けの福祉施設しか作る余裕がないのであれば、税金を支払っている都民益を最優先に果断に守るというスタンスで、建設的に議論を進めたいものであります。

舛添さんの“美濃部”化が進んでいる

それにしても、舛添さんのスタンドプレーにも困ったものといいますか。元産経記者の在英ジャーナリスト、木村正人さんが評価するような「都市外交」も、安倍総理と朴大統領が没コミュニケーションの冷戦期間に代理メッセンジャーとして機能するとか、あるいはオリンピック・パラリンピックの地ならしとして東京の国際化を進めるとかの効果を生み出す限りであればいいのですが、「政治判断」の美名の下に、足元の民意をおろそかにされてしまっては、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と言わざるを得ません。

今回の件を見ていると、私も新聞社時代の十数年前に取材したことがあるのですが、北朝鮮系の朝鮮学校への固定資産税免除措置を彷彿とさせます。この措置を決めたのは、革新知事の美濃部亮吉さん(在任1967〜1979)なんですが、その美濃部さんも舛添さんと同じく「都市外交」には積極的でした。全国でもいち早く朝鮮学校への固定資産税免除やら、朝鮮大学校の各種学校認可やら、毎年真面目に固定資産税を払っている身としては、国交のない国の学校にそこまで優先するのも不可解極まりない措置をしておりました。

都民益より優先する余裕はもうない

結局、1975年の都知事選で激しく争って返り討ちにした石原さんが、拉致事件による世論硬化を背景に20年以上も経ってこの措置を見直すまで継続されてしまいました。多摩地区でもこれに追随して、北朝鮮系の施設があった八王子や町田でも減免見直しに乗り出したことを当時、私が特ダネで書いたんですが、町田の朝鮮学校に子供を通わせていた父親が記事を読んで電話してきて「私たちがまるで悪いことをしたような書き方じゃないですか」と、抗議を受けたなあ。。。

その父親の「なんで子供の施設にこんな課税を今更するんだ」という悲憤も子を持つ親の言葉として聞く限りは理解できたんですが、結局、時の為政者の政治判断でコロコロと方針が変わるようでは、今回も韓国サイドにとっても長い目で見れば得じゃないと思いますよ。それこそ石原さんや田母神さんみたいな人が将来都知事になったら、ちゃぶ台返しで土地を返すように言っちゃうし、その時、学校に通っている韓国人の生徒も困るでしょ。それになんといっても、少子高齢化で日本の国富がシュリンクし、東京の待機介護地獄が予測される中にあって、限られたパイの中で都民益を確保していかざるを得ない時代になります。そうなると穏健保守の中庸な人がその時、都知事をやっていたとしても、民意を背景に土地を召し上げざるを得ないだけの財政状況になっているんじゃないでしょうかね。

「都市外交」はどこまで許されるのか

「都市外交」を理論的に支えている「自治体外交権」なる考え方は、ここ20年ほどの新しいものだそうで、私も早稲田在学中、憲法の授業で水島朝穂先生に習ったのを覚えています。水島先生は、軍事オタクでありながら、朝生で「自衛隊は憲法違反だ」と言い放ったゴリゴリの左派憲法学者(笑)。ただし、自治体外交権推奨派の水島先生でさえも、「自治体外交権」についてはこう書いています。

「確かに条約締結権や外交処理権は憲法上内閣にある(憲法73条2、3号)。だが、国の権限を侵さない限り、自治体が越境的な活動を展開する機会や可能性は今後さらに拡大していくだろう」(出典:Quon Net ビジネスコラム「憲法から時代を読む」第8回「地方自治の本旨」と条例-94条~92条(水島朝穂-憲法から時代をよむ)

素直に読むと、水島先生が沖縄びいきだと知らない人でも、沖縄の基地問題で翁長知事や名護市長がアメリカや国連で立ち回ることには擁護的だと想像が付くでしょう。しかし、その水島先生であっても太字にしたように「国の権限を侵さない限り」という但し書きをしています。沖縄の自治体外交は日本国の国益(安全保障)と沖縄の住民益(基地負担の軽減・抹消)が対立した場合に持ちだされるわけですが、私は批判的ではあるものの、沖縄については住民への基地負担の現実を考えると「酌量」の余地はあると思います。しかし、今回の“舛添外交”は、外国の国益と都民の利益が対峙(しつつある)状況にあるわけですから、国の主権者である国民、都民の利益を優先することは憲法を持ち出すまでもなく、明らかなんですがねえ。

「舛添おろし」はあるのか!?

こうなると、“舛添おろし”と書くのは大げさですが、暴走を誰が止められるんでしょうか。保育園落ちた政局で自民党が争点潰しに苦慮しているのをみれば、政治家は選挙が怖い。しかし都知事選は2年後だから間に合わない。ならば、この前の選挙で舛添さんを推薦した最大会派の都議会自民党の議員がどう動き出すのか、櫻井よしこさん風に言うならば(笑)「保守の矜持が問われる」ところ。

そして、21世紀らしく、ネットでリコール署名を募るなりして、都民が声を届けていく動きも出てくるやもしれません。ではでは。

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(※写真は都庁サイト「知事の部屋」より)

アゴラ編集長/ソーシャルアナリスト
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